この各務原航空宇宙博物館は、オープンした当時には日本中の注目を集めました。なぜ、こうした博物館が建設された経緯をご存じの方は、一般人にはほとんど理解されていない事実があるのです。 ここの航空機は、川崎重工の岐阜工場に存在していた現役引退の航空機の数々が保管されているだけなのです。
なぜ、そういうことになったかと言うと、当時防衛庁より対潜哨戒機(P3-C)が大量発注があり、また同時に中等練習機(T-4)が大量生産体制にあり、同工場に保存されたあった航空機がスペースをとるため保管場所を確保すべく博物館を建設して、同時に同会社は売上をもたらしたのが事実です。
では、なぜ各務原市はこうした建造物をすぐに着工することができたのか。それは、自社の労働組合員を市会議員に立候補させ、同市はその会社員と関連産業社員及び自衛隊が人口の数多くが存在しており、数多くの票を獲得した、まさしく防衛産業城下町となっているのです。だから、その市会議員は当然のことながらトップ当選を果たし、当時の公約の1つであった「航空宇宙博物館」を作るという計画は順調に進んだのがその理由です。
また、神戸市にも「カワサキワールド」といったまさしく企業博物館があり自社宣伝の広告パビリオンとして存続しております。当然のことながら、企業出身の市議会議員が強い権力を持っているのです。
まぁ、そういった不謹慎なタブー的内容をさておき、実はこの博物館は、その実際に長年実機としてこの日本を防衛しつづけてきた名機がそろっています。1度来客した人にとっては、ただ展示してある飛ばない飛行機など、ほとんど興味を示さないためリピーターはかなり少ないのが現実です。
航空機産業は、今後は自動車産業にいずれとってかわるべく夢のある事業であることは、一般市民にはなかなか理解されていないのです。なぜ、こうした面白みの無い展示物ばかりになってしまったかというと、元々川崎重工の岐阜工場での業務は防衛省相手のお役所仕事だから、ゲーム産業のような娯楽性が無いためです。もちろん、三菱航空機でも名古屋の小牧空港に小さな博物館を展示していますが、迫力に欠けます。
この「各務原航空宇宙博物館」は、アメリカのスミソニアン博物館の航空機展示物にひけをとらない立派なものなのです。第2次世界大戦にて、当時の川崎航空機で開発設計をしていた技術部の課長「土居武夫」氏は、実に優れた業績は挙げたのは事実です。三菱の「ゼロ戦」は、一般市民にとっては有名ですが、土居武夫の開発した「飛燕」は最高傑作でもあったし、「川崎キー78」は、当時世界最速のレシプロ飛行機であった。
この展示物は残念ながら展示はされていないのであるが、「土居武夫」氏の優れた業績については展示物こそないが彼の歴史は書かれてある。また設計デスクもまた、現在の川崎重工の設計用テーブルとして温存してあるため、一見の価値はあるのである。また、体験用のシミュレータについては、これはまさしくパイロット養成用仕様でもあるため、ゲーム性に乏しくリピータが癖になるような代物ではないことが残念でならない。
最悪なものは「ハングライダー・シミュレーター」である。これを開発した課長や担当者は、予算が無いことを理由に「あれもできない、これもできない」という嘆きの中で設計されたものであり、かなりお粗末な製品になってしまった。1度体験された方のほとんどが、入る前に大きな期待をするのだが、実際に体験してしまった後には、あまりにもつまらなさにこの博物館の評判を最大限に落としてしまっている原因の1つでもある。
実際、この博物館の立地に関してもかなり問題が大きい。名鉄の「那伽駅」からバスに乗って約30分もかかる田舎に設置されているのが致命的でもある。観光客を多く呼び込むには、この博物間のみでは、かなりさびしい。他の大企業博物館としてトヨタ自動車の展示物が、愛知県長久手市に博物館が存在しているが、訪れる観光客はほとんどおらず、案内係りのコンパニオンの美人の女性は、いつもヒマそうにただ立っているのみである。
これは、各務原航空宇宙博物館も同様の現象である。 一方、海外でのこうした科学的博物館はどうかと言うと、フランスのパリでは案外首都の近郊にあり家族連れがたくさん来ており賑わっている。
また、ドイツのミュンヘンにあるBMWの自動車博物館は、とてもゲームや娯楽に優れており、お客様をとても楽しませるように完成されている。 せっかく、日本にもたぶん1番大きい博物館でもあるのだから、せめて鳥取の境港市の水木しげるの鬼太郎ロード以上に、日本の航空宇宙産業の歴史と実機展示物がまだ現存して残されているわけであるから、せめて1度は見学に訪れるべきものであると思うのである。
浜松市にも航空自衛隊の基地があるため、航空機の博物館はあるが、規模は小さいのだ。見ごたえがあるのは、大型機を専門としている川崎重工の航空機は、是非1度見学する価値はある。騙されたと思って、面倒でも足を運ぶべき博物館である。それが無駄足だったとしても、良い体験にはなるはずだ。
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